Maker Faire Tokyo 2018で公開した2018年版水滴パルスです。

今回は2系統のストロボを使って動きの異なる2色の水滴を見られるようにしてみました。

 

なお,会場で質問を受けた,水滴パルスやゆさゆさスローモーションに使っているストロボ装置の回路図はこちらです。

エレキジャックに掲載されたものを元に少し変更したものですが,NE555を使った発振回路と簡単な定電流回路を組み合わせています。

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「本当は50Hzで振動しています」:

ストロボ効果で実際よりもゆっくり振動しているように見えます.意外と受けて良かったです(^^).次回のMaker Faire Tokyoでは更にインパクトがあるものを実現できるよう頑張ります(^^).

「ダイヤモンド」がおおよそ60Hzで「格子振動」している様子をスローモーションで可視化した.

動画で見ると地味だが,実際に見ていると「結晶格子」がゆっくりとうごめく様は不気味でなかなかよろしい(^^).
 様々なパラメータ:「原子」間距離や「結晶格子」全体の大きさや形状を変えて,もっとも動きが派手になる設定を見つけたい.

分子模型「モル・タロウ」を利用.(モル・タロウのサイトはここ)
ただし,ジョイント(原子間結合)は付属のものを用いずに,シリコンチューブを適当な長さにカットして用いた:

今回は「CDC-3 ダイヤモンド(ブリリアントクリア)」を使用した:
外径4mm,内径2mmのシリコンチューブを用いれば「モル・タロウ」にフィットする:

どんどん原子をつなげていく:

「やわらかい」ダイヤモンド結晶模型の完成である:

「グラファイト」や「フラーレン」や「グラフェン」などで試してもいいかな.
いや,特に炭素にこだわっているわけではないのだけれども.
「DNA」をゆさぶっても面白いかな?

先日,ゾートロープについての質問をいただいた。
考えてみると,ゾートロープ製作後の改良(というか改造)について,全然公開してこなかったので,これをきっかけに主な改良(改造)をまとめておきます。
質問をくださった方,ありがとうございます。

モーター強化

最初,円盤を回転させるモーターに42mmのステッピングモーターを使っていたのだが,やや力不足で重い円盤を回せないという問題が出てきたので57mmの大型ステッピングモーターに交換した。しかし,モーターが大きくなったので,モータードライバーもL6480を使ったドライバーに交換,取り付けのアルミチャンネルも大きなものに交換とけっこうな大工事になった。結果は,アヒルが90匹も乗ったフィボナッチアヒル円盤を180rpmで楽々と回してくれる力持ちになって大成功だった。

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モーターの左にあるのがL6480ステッピングモータードライバー,右はストロボ用光センサー

ウレタンベアリング

円盤の周囲を支えるローラにホームセンターで買ってきた樹脂ベアリングを使っていたのだが,予想外に音が大きいので,ウレタンベアリングに交換した。こいつは,普通の金属ベアリングの外周にウレタンを巻いたもので,走行音と回転音の両方が小さいというメリットがある。
1個約1000円の値段に目をつぶって交換した効果はなかなかのものだったが,MFTは会場内がうるさいのであまり関係がないという結果に終わってしまったのが残念。

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使われているベアリングはNTN製だった。

紫外線(?)LED

フィボナッチアヒルのために買ったアヒルは紫外線で光る蛍光アヒルだという事に気がついたので,ストロボをUVストロボに変更することにした。最初,できるだけ波長が短い方が良く光るだろうと思って高価な波長365nmのLEDを注文したのだが,アヒルの光り方が弱い。不良品をつかまされたのかと思ったのだが,郵便物の宛先バーコードやお札の日銀印などは気持ちよく光るので不良品ではないようだ。
そういえば,紫外線に近い紫の可視光の405nmのLEDでも良く光ったのを思い出して,410nmのLEDを改めて注文して交換したところ,今度は大成功。きれいに光った。
恥を忍んで白状すると,この件で「蛍光」というのは,ある波長の光を吸収して,それより低エネルギー(長波長)の光を放出する現象のことで紫外線に限ったことではないという事を初めて知った。どうりで青の蛍光マーカーがないわけだ。

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プラスチックレンズには紫外線の透過率が悪いものもあるということで,レンズでなく反射鏡にしたのだが,使ったのは可視光の紫ダイオードだったので無用な心配だった。

ストロボ増灯

UVストロボにしたとき,アヒルの蛍光だけでは明るさが少なかろうということで,ストロボをそれまでの3WパワーLED3灯×2から3WパワーLED3灯×3へとパワーアップした。
LEDを増やすにはLEDドライブ回路も増やさなければならないが,今までのドライバー1回路分のスペースと周辺の空きスペースを利用して,なんとか2回路分のドライバーを押し込む事ができた。

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左が元の1回路分のドライブ回路,右が今回作った2回路分のドライブ回路。

ストロボ発光間隔マニュアル制御

ふつうのゾートロープでは円盤の回転とストロボの発光間隔を同期させる必要があるので,くまモンゾートロープでは円盤の裏に付けたマークを光センサーで読み取って,ストロボの発光タイミングを決めていた。
しかし,フィボナッチアヒルは発光間隔を自由に変えて,同期をずらしたり,同期する列を変えたりして面白がるのがポイントなので,マニュアルで発光間隔を帰られるようにする必要がある。ちょっと面倒な仕事になるかと思ったのだが,光センサーの信号の代わりに適当なパルスを入れてやればすむ事だった。そんなわけで,おなじみの555を使った発振回路を作ってダイアルで発振周波数を自由に変えられるようにした。

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発振回路は来場者に操作してもらって,自分は楽をするという作戦。

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中はいたってシンプル。

今回は,振動で水滴を切る方法から離れて,ホース内の水流そのものを脈流にして水滴を作る方法を考えてみた。
ピストン式の水ポンプを使えば,何もしなくても水流に脈動が生じるので都合がいいのだが,一秒間に数十回もピストンを動かすようなことは無理だし,今どきの小型ポンプはほとんどが回転式になっている。
ということで,空気を送り出すことはせずに空気の脈動だけを生じるように改造した観賞魚用のエアーポンプからの脈動(圧力変動)を水流に加えて,水の脈流を作ることにした。
キーデバイス(?)はこのT型ジョイントで,Tの一方から水流,もう一方から空気の脈動を加えると,残りの口から水滴が発生するという作戦だ。

観賞魚用のエアーポンプは,こんな感じで電磁石でゴムのカップを動かして,空気を送り出すようになっている。

エアーポンプを動かす電磁石には商用電源がそのままつながっているので,東日本では1秒間に50回,西日本では1秒間に60回,空気が送り出されるのだが,圧力の変化だけが欲しいのでポンプの吸気口をふさぎ,吐出口は弁を撤去したうえで口径を大きくした。

実験結果はこちらの動画の通りできれいな水滴が生じている。

この動画では水滴がものすごくゆっくり上に上がっているように見えているが,ストロボの発光間隔にゆらぎを生じさせれば,水滴がいつまでもふわふわと漂っているように見える「はず」だ。
次はストロボ改造だ。がんばるぞ。

水滴パルス2018年バージョンは装置の小型化を目指している。

従来版は振動スピーカーでホースに振動を与えて水流を切ることで水滴を発生させていたが,今回は振動スピーカーの代わりに振動モータを使うことで水滴発生部を小型化できないかと考えて実験してみた。

仕掛けはいたって簡単,逆向きに回転する2つの振動モーターをアクリル管に固定し,管の中にホースを通して水を流すというものだ。

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適当に作って適当に実験したのがこちらの動画。

ストロボの速度をまじめに調整していないのが問題だが,それなりに水滴が出ている。

しかし,課題も出てきた。

  • 振動数(=モーターの速度)を細かく制御するのがたいへん。(フィードバック制御が必要)
  • 前項に関連して,振動数をそんなに下げられない
  • 振動モーターの耐久性に疑問がある(携帯のバイブレーター用のモーターを何時間も連続して回すのは心配)

ということで,振動モーター作戦は今一つという結論になった。水滴パルスと振動モーターの同期を一緒に見られて面白いのだが,しかたがない。次はポンプを使って,ホース内の水流を脈流にする作戦を試してみる予定だ。