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些末事の研究

逆立ちゴマ(英語では tippe top と言うらしい)を作ってみた.きっかけは「数学セミナー2017年9月号(特集:戸田盛和とおもちゃの数理)」を買ったこと.記事を読んで逆立ちゴマをお手軽に自作してみたくなった.
 というわけで早速,近所のハンズマンでステンレスのリングと吸盤と「きんぎょ」と瞬間接着剤を購入して制作した.コマをリングにしたことで,逆立ちしていくプロセスにともなう重心の移動の様子を観察しやすくなると考えた.
 ところで今回のMFT2017における我々のテーマは周期的運動の可視化であった.コマの回転も周期的運動(周期はだんだん長くなっていくが)であるのでストロボを回転周期と同期させて光らせれば,すなわち「きんぎょ」の顔が常に正面を向いているように見せかければ,重心の移動の様子をより一層観察しやすくなるのではないかと閃いた.次回MFT2018のネタの候補の一つとして考えたい(^^).

 
数学セミナー2017年9月号と数年前にどこかで買った(本家?)逆立ちゴマ(3個):

ステンレスの輪にくっつけられた「きんぎょ」:

写真ではわかりにくいけど,輪に吸盤が接着されていてその吸盤に「きんぎょ」がセロテープで固定されている.

弐号機(はさんで固定してあるだけのダブルクリップが最後にどこかに飛んでいく(^^;).):

壱号機(東急ハンズで手に入れた木製の輪と目玉クリップで作ったもの.制作は簡単一瞬!):

本家逆立ちゴマ(数年前にどこかで手に入れたもの(^^;)):

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LEDストロボの超スローモーション撮影の被写体に振動を与えるため,初めは振動モーターの利用を考えた。
携帯用の振動モーターは力不足が目に見えているので,もう少し強そうなものを探すと中国の通販で模型用の130モーターを利用したものが見つかったので,さっそく入手して試運転。
しかし,台はピクリとも動かない。これでもまだ力不足のようだ。
ということで,振動モーターの利用はさっさとあきらめて,モーターで台を直接回すという力技に出たのが2つ前の記事だが,振動モータについて調べていると,2台の振動モーターを並べて固定し逆方向に回すと,2台が同期して回るという記事が見つかった。

面白そうなので,適当な板に2台の振動モーターを並べて実験したが,同期する様子は全然なくて,2台が勝手に回っている。モーターの振動方向には自由に動けるように板を上からつり下げてみてもアウト。


そんな力がないのならと,両面テープで2台を直接貼り合わせて手持ちで実験してみたら,やっとのことで同期した。


どうやら,2台の振動が互いにダイレクトに伝わることと,モーターはある程度自由に動けるように柔らかく固定することがポイントのようだ。
同期したから何かに使えるということもないけど,とりあえず面白いものを見られて良かったということにしておこう。

前回,めでたくアヒルの行列をグルグル回らせることに成功したのだが,今度は動画のちらつきが気になってきた。

現在のしかけは,裏に15個の発光タイミング決定用マークを付けた円盤を1分あたり60回転(=1秒あたり1回転)させるのが基本になっている。つまり,1秒間に15回ストロボが発光しているわけだ。

これは,標準的な動画の撮影コマ数が1秒あたり30コマ(30fps)になっているので,1秒15回の発光なら,動画の1コマおきに明るいコマと暗いコマが規則正しく繰り返されるのでちらつきが少なく感じられるのではないかという予想に基づくものだった。

それが予想外にちらつきが多かった(と感じた)ので,うだうだ考えるよりもまずは実験と,1秒あたり発光回数を様々に変えて動画を撮影してみた。アヒルの群れの真ん中においてある紙に書かれた数字は回転数と発光数で,円盤の回転数を変えることで発光数を変えている。紙を貼り替えているうちに円盤が中心からずれてアヒルが酔っ払って蛇行しているような感じになったが,これはご愛嬌ということで…。

一見したところ,最初の方の7.5回/秒の猛烈なちらつきは別格として,他のちらつき具合にはそれほど差があるように見えない。そこで,動画を見ないで暗くした部屋で動画を再生しながら部屋全体の明るさの変化(ちらつき)を見るという作戦に切り替えて観察したところ,1秒あたり15回が最もちらつきの具合が少ないように感じられた。

そこで,カメラのシャッターが開くタイミングとストロボ発光のタイミングを図に書いて見た(手作業で…)。いや,最初からこれをやれば実験する必要もなかったんだけど…。

図の一番上の方形波がシャッターのタイミングで,1周期が1/30秒,シャッターが開いている期間(Hの区間)はその半分の1/60秒と仮定した。下の各行は,先頭の数字が1秒あたりの発光数で,それに続く縦線がストロボの発光を表している。それぞれ,最初にシャッターが開くのと同時に1発目のストロボが発光するということにして,うまくシャッターが開の区間でストロボが光れば,そのコマは明るいコマになるので緑のマーカーで示しておいた。
チカチカ
これを見ると1秒15回のところは1コマおきに明暗を繰り返しているが,他のところは明暗の繰り返しにムラがある。わかりやすく□と■で明暗を表すと,次のような具合になる。明るいコマの連続の後,暗いコマの連続というようなパターンだとちらつきが強くなって当然だ。

発光数 発光パターン
7.5 □■■■□■■■□■■■□■■■□■■■□■■■□■■■□■■■□■■■□■■■□■■■□■■■
11.25 □■■■■□■■□■■■■□■■□■■■■□■■□■■■■□■■□■■■■□■■□■■■■□■■
15 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
18.75 □■■□■■□■□■■□■■□■□■■□■■□■□■■□■■□■□■■□■■□■□■■□■■□■
20 □■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■
22.5 □□■■□□■■□□■■□□■■□□■■□□■■□□■■□□■■□□■■□□■■□□■■□□■■
24 □□■■■□□■■■□□■■■□□■■■□□■■■□□■■■□□■■■□□■■■□□■■■□□■
12 □■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

1秒あたりの発光パターンの繰り返し回数が,1秒間の撮影コマ数(=30)から1秒間の発光数を引いた数字になっている。そうか,これはうなりと同じなんだな。と,ここへ来てやっと気付いたりする。

ということで,やはり1秒あたり15回の発光数が動画撮影には都合がいいようだ。肉眼で見る分には発光数が増えれば増えるほど,ちらつきが少なくてきれいに見えるけど,あまり早く円盤を回しすぎると遠心力でアヒルが飛び出しかねないから,やはり15回くらいが現実的な線だろうか。

少し前にPanasonic KXL-CB45ANというDVDドライブを買ってきた。なにぶん昔の製品ゆえに,DVDを焼けないなどの問題もあるが,800円のジャンクに多くを望む方がまちがっている。
ということで,それなりに便利に使っていたら,「自分にも一台買ってきてくれ」というリクエストがあった。お安い(なにしろ800円だ)御用ということで,KXL-CB45ANを買ったジャンク屋に行ってみたら」売り切れていた。こんな旧型でも値段が安いとすぐに売れるんだなあと感心したが,約束した品が買えないのは困ったことだ。

しかし,ジャンクの神は我を見捨てなかった。店内をよく見たら,そっくり同じ富士通のFMV-NCB53という製品が売っていて,値段も600円とパナソニックの25%安だ。たぶん,どちらかのOEMだろう。

左がFMV-NCB53,右がKXL-CB45AN。よく見るとには「USB BUS POWER」の文字が輝いている。

左がFMV-NCB53,右がKXL-CB45AN。よく見ると KXL-CB45ANには「USB BUS POWER」の文字が輝いている。

さっそく一台買って,家に帰ってから動作チェックを開始。
ゲッ,動かない。USBケーブルをつないでも無反応だ。わざわざ故障品を選んでしまったかと思ったが,そこはジャンクの掟で,自分のチェックのいたらなさにすべての責任がある。
とか,言っても600円なんだけど…。

それでも,あきらめきれずにいろいろやっていたら,DCアダプターをつないだときにはまともに動くことがわかった。
もしかしたらこわれていないのかも,でもDCアダプター必須はなあ…。

こんなときに役立つのがそっくり同じのPanasonic KXL-CB45ANだ。2つのドライブを並べて比較したら,裏面のDIPスイッチの設定が違っている事に気がついた。
Panasonic KXL-CB45ANは,「1:省電力モード(出荷時OFF) 2,3,4:常時OFF」
一方の富士通FMV-NCB53は,「1,2:ON 3,4:OFF」となっている。

スイッチの説明。左がFMV-NCB53で右がKXL-CB45AN。

スイッチの説明。左がFMV-NCB53で右がKXL-CB45AN。

1と2が違っていて,1が省電力モードなら,2はバスパワーかという適当な想像のもとに2をOFFにしたら大当たり。あっさりとDCアダプターなしのUSBバスパワーのみで動作した。省電力モードなんかにしておくと他にも変なことが起きそうなので1もOFFにして動作を確認するが,すべて問題なし。
USBの電源供給に不安のあるパソコン(FMVだもんね)の純正オプションだから,わざわざバスパワーでは動作しないように設定しているのかと勘ぐったりしてしまうが,まあFMVだからこんなものなのかもしれない。

とりあえず,同じジャンクを拾って富士通への怒りをたぎらせている人がいたら,ご参考までに。

WordPress.comではMathJaxが使えなくて困ったものだと思っていたが,WordPress.comのサポートによると,LaTexのコードを$latex と$とで挟めば数式が表示できるということなので,某所からパクってきたシュレディンガー方程式でさっそく実験。
&fg=000000&s=1$にして,文字色を黒,サイズをlargeに指定。

i\hbar\frac{\partial}{\partial t}\psi(x,y,z,t) = \left[ -\frac{\hbar^2}{2m}  \left( \frac{\partial^2}{\partial x^2} + \frac{\partial^2}{\partial y^2} +  \frac{\partial^2}{\partial z^2} \right) + V(x,y,z) \right] \psi(x,y,z,t)

なかなか順調。画像になるのは少し悲しいけど,できないのに比べると大きな違いだ。
インラインモードだと \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2} = \frac{\pi^2}{6} で,こちらは文字色,サイズの指定なし。
こちらも順調。

せっかくだから,シュレディンガー音頭の画像も貼っておこう。

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